非存在は、何かを感じ、常に変化する。それは、非存在的存在も同じことである。その変化の中でも、非存在的存在は常につながりを見出し続け、同一存在として変化していく。
これまで述べてきた、ある存在がある現象を己の感覚を持って感じ、変化するという存在のプロセス【a → a+ω×α= a+x ⇒ b】は、(人間の)意識できる領域の話ではなかった。このプロセスは、非存在的存在である生物たちの、肉体において、精神的において、無意識のうちに行われていると考えられる。(注2 肉体と精神が完全に分けられると考えてはいない。)
非存在的存在は、変化の中にでも常につながりを見出し続け、自を持つが、これは無意識的なものである。非存在的存在も、非存在と同じく、無意識的な存在だったのだが、非存在的存在の中で、意識が誕生した。自を持ったからか?
その意識がさらに発達し、理性(ロゴス)(そして、エゴ)を持った非存在的存在が人間だと考えられる。理性を持ったために、意識の働きが大きくなり、存在感知への無意識の働きを感じづらくなった。ゆえに、存在のプロセスが無意識で行われているだけでは、頼りなく感じる、無意識領域にある自を危うく感じるようになった。同一存在としてあることをより確かになものとするため、人間は、意識の上で、自ら存在のプロセスを行うことにした。自を意識的なものとしようとし、自分という存在を意識的に存在させることを望んだ。
人間をほかの非存在的存在から区別する特徴は、その意識と行動にある。人間は、意識的な自己である自我を持ち、存在のプロセスを、自由な思考と行動を使って自ら意識的に行う。自我を持ったために、
(註)人間をほかの非存在的存在から区別するものは、思考と行動における自由への可能性である。
【人間存在の仕組み】
無意識界 a → a+ω×α= a+x ⇒ b = a’ (→a’+ω×α’=a’+x’=c=a’’ ) ×∞
準意識界 a→ a+x ⇒ a’ (→ a’+x’⇒ a’’ ) ×∞
意識界 (a)→ (a’)×δ=A ×∞
【人間存在の構造】
無意識界 a→ a’→ a’’→ a’’ → a’’’’ ‥‥
意識界 A →A’→ A’’→ A’’’ ‥‥
無意識界で存在の一貫性が感知されることで自己意識をもつ。意識的な自己認識が作られる。無意識界で、a+x=b=a’の非存在的存在プロセスを行う。これは意識では捉えられない。無意識と意識の間の意識である準意識で、xを感じ、自分の存在がaからa’に変化したことを感知する。意識では、自分が以前の状態から変化したことはわかるが、aもa’も完全にとらえることはできない。しかし、自我をもつ人間は、これを意識化することを望むのである。人間は解釈行為δをすることで、a’を意識化し(=A)、自分という存在を意識的に存在させる。