First Question



Q. 生きているというのはどういうことなのか?
―A. いつか死ぬということだ。

Q. では「生きる」のはどういうことなのか?
―A. 無意味なことだ。遊びである。

Q. 生きることに意味がないのなら、なぜ人間は「理性」を持つのか?
―A.それに理由などない。理由があるとすれば、「非理性」が「理性」を求めたからであり、「理性」が「非理性」を愛したからである。



わたしたちの「理性」は自殺願望を持つ。理性は無意味なことを嫌い、ゆえに絶えず自己否定に陥る。賢い理性には、「この世界」がすべて無意味であり、中でも最も無意味な存在こそ、意味を求める自分なのだとわかるから。
あの愛しい虚空に向かって、理性は涙ながらに問いかける。
“なぜわたしは存在しているのか。すべてが無意味なら、論理を知り、意味を求める自分は必要ない!”

たしかに理性が人間に存在しているというのは、ひどくナンセンスなことである。なぜ、人間を他の動物と同じようにしておいてくれなかったのか?なぜ、理性は人間とともに生きることにしたのか?


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