過渡

やっぱり世界なんて
そもそも世界なんて

わたしはおしつぶされている
世界に、自分に、情報に

なんかもう全部ちがう
何も否定したくないから
全部否定した

確かなものなどないという確かさ
なんだもう得体のしれないものに
心がおしつぶされてしまいそう

わからないことがたくさんあっていやになる
わかることもわからないから
なにもない

どこにすがればいいか
どれも間違っていて、正しくて、
身動きが見事に取れない

こわい。なにが?
わからないから、こわい
えらべないから、こわい

世界の汚さばかりしっている
すべてうたがいはじめるととまらない

「正しさ」もつくられたもので、
自分で選ぶしかないとわかっても、
正しさを求める気持ちは消えないから、
何かを選べない

もっとまちがえられたらいいのに、
もっとまちがえたい、

うあ だれか きいて 
こんなかんたんなこともわからない わたしのことを
形に 形に

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